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なんで「オエッ」となるのか。

 ちょっとニヤリとしてしまったご質問が届いてしまったので、その勢いのまま書いてしまいますね。質問は下記。

「夫や息子が東方神起やJYJに対してまさに『おえっ』と言います。なぜ、矢沢永吉やサザンオールスターズに対しては『おえっ』ではないのでしょうか?
 イケメンだからいけないのか? 不細工ならいいのか? ひがみから来るものなのか? 
 良い歌をなぜ単純に良いと思えず、極端に毛嫌いするのか? イケメンに浮つく妻、母が許せないのか?
 ぜひ、その辺の男性心理を解説していただけたらうれしいです」

 わたしはその道の研究者ではありませんし、またあんまり論理的な人間でもありません。さらには話が脱線することがとても多く、しかも、それを良しとしてしまっているよろしくないライターなので、あんまりご期待に添えないことを先に御承知くださいませね。でも、こんな話、実は大好きです。

 まずは直截にお答えしますね。

「イケメンだからいけないのか? 不細工ならいいのか? ひがみから来るものなのか?」

 いちおうは、どれも正解と言えるのではないでしょうか。

「イケメンに浮つく妻、母が許せないのか?」

 これは違うのではないかと思います。もしかしたら口ではそう言うかもしれませんが、本音のところでは、そんなに問題視していないというか、程度の差こそあれ、それなりに微笑ましいとさえ思っているのかもしれません。

 東方神起やJYJに本気で「対抗心」を持っている男は、そんなにいないと思われます。そう思っている夫や息子がいたら、あり得ないくらい相当デキる男か、その逆なのでは。後者であれば、なにかと苦労することも多いでしょうが、おそらくは、それ以前の問題のような気がします。

「良い歌をなぜ単純に良いと思えず、極端に毛嫌いするのか?」

 なによりもまず「良い歌」であるこということすら認識していないということと、それにも関わらず毛嫌いをする。それも「極端に」ですね。世の男性諸氏の多くは、本気で彼らを観ていない。要するに、「対抗心」を燃やしていようがいまいが、彼らのことを真正面から見据えることが出来づらい男性心理の機制が働いていると推測できます。

 このご質問に答えるにふさわしいお方の一人は、社会学者の澁谷知美さんですね。わたしははじめ、澁谷さんが、東方神起のファンだと知ってのけぞってしまいました。澁谷さんは、あの「ウェブロンザ記事」の後にJYJペンからの総攻撃を受けることとなってしまったお方ですが、ともかく彼女は、かなりラディカルな男性問題の研究者なのです。『日本の童貞』(文春新書)『平成オトコ塾 悩める男子のための全6章』(筑摩書房・Zero双書)など、日本の男性諸氏なら皆ドキッとする事柄をズバズバと切り裂いてしまう正真正銘の男にとっての「怖い女」(失礼!)です。わたしはむしろ、そんな澁谷さんが何故東方神起にそれほどまでにハマったのか知りたかったし、やっぱり彼らには、男性批評のプロフェッショナルをすら籠絡してしまう、もしくは、厳しいチェックを通過させてしまう何かがあるのだな、と勝手に推測してしまったほどなのです。

 だけれども、いつまでも男がこの種の質問、突っ込みに逃げてばかりいてはいけないんじゃないのー、だらしない、という言葉が聞こえてきそうなので、「男らしく」蛮勇をふるう気持ちで書いています。

 東方神起やJYJを観てファンの多くは「男らしい」と思うのでしょうが、男たちの多くはそうは思わない。むしろ「女々しい」と表現し、弱々しいさえ映ることの方が多い。これはかなりオカシなことなのですよね。東方神起やJYJだけに限らないですが、彼らと素手でタイマンをやって勝てる男は、百人に一人もいないでしょう。だって、あんなに激しいダンスを延々と踊れるほど鍛えまくっているんですから。こんなことはファンの目からは自明過ぎるほど当たり前なのに、男からは自明なことにはならない。

 いや、知らないわけじゃないんですよ、男たちも。彼らが肉体的にめちゃくちゃ強いだろうな、ということを。でも、やっぱり「男らしい」とはならない。男の秩序、序列の中には入れてもらえない。むしろ、男社会の何かを壊す異質な部分をすらはらんでいると警戒されてしまうのかもしれません。

 認めてはいけない何か、があるということなのです。彼らの中に、多くの男から見て。

 多くの男たちは、極めて脆い「男らしさ」をよすがに生きています。女らしさも危ういですが、あくまでも相対的にですが、「女らしさ」の方は、それなりに内省的にとらえられている。ネタにできている。年齢が上がればなおさらそうではないですか。

 しかし「男らしさ」は、未だに多くの男たちにとって「自明のもの」とされ、その内実を捉え返す作業はあんまり進んでいません。いい歳したオッサンでも、まだまだ「男らしさ」幻想から抜け出せない。それが男の何かを暴走させてしまう事件も、ままありますね。東方神起やJYJの「男らしさ」と、一般男性が考える「男らしさ」には乖離がある。このことは、重要な事実ですね。

 たとえばですが、草食系男子と呼ばれる男子たちは、世間で言われる意味のそれだけではなくて、「男らしさ」の内実を男の立場から相対化しようとしている男子たち、くらいに捉えてくれればよいのですが、こんな男子たちにもいろんな意味でバックラッシュ、反撃があったりもします。これは何も男や男社会からだけのそれではなくて、女の側からの反撃であったりもします。要するに筋肉かよ、オラオラがいいのかよ、みたいな話です。

 東方神起やJYJのことを、単なる毛嫌いじゃなくて、なぜこれほどまでに「極端に」嫌うのか? ここに問題が潜んでいます。それは、無理、だからです。自分には到底真似すること出来ない無理な存在だから、自己防衛のためにとりあえず嫌っておくのです。そうした方が楽ですから。それなのに、テレビを付けたらいつもいつも出てくる(JYJは出てきませんが)。不愉快になってしまうのです。

 これは無理からんことだと思います。逆鱗に触れてしまった「腐」の世界もそうですが、男からできるのは「理解」までで、「共感」「消費」まではなかなかできません。そうなってしまったら、ヘテロじゃなくなりますから。ヘテロである必要はないじゃないか、という主義の持ち主もいるでしょうが、そこはまあ、それを言うならヘテロでもいいじゃないか、と言うことで、とりあえずスルーさせてもらいます(でも、どうなんでしょう。ヘテロ男子から見ても、おっ、可愛いじゃないか、とつい思ってしまうからこそ「オエッ」となっている可能性もありますね。やっぱりゲイ・タブーはあるとは思います)。

「矢沢永吉やサザンオールスターズに対しては(なぜ)『おえっ』ではないのでしょうか?」

 わたしは永ちゃんのニヤケ顔に「オエッ」となる時もありますが、それは東方神起やJYJとは別の感覚ですし、やっぱりどちらかと言えば「渋い」と言う男が多いですよね。サザンオールスターズは、まあ、笑えますし、東方神起やJYJとはまた次元が違い過ぎるように思います。

 ところで下記は、ある雑誌で書いたわたしの文章の抜粋です。また、SMAPさんについての言及です。だいぶトバシてます。細かいところは、無視して読んでくださいませ。

「SMAPの支持層は、大人から子供までと多岐にわたるが、中でも多いのが30~50代の女性である。数多存在する男性アイドルではなく、なぜ彼女らはSMAPを受け入れたのだろうか?
 
 哲学者カントの倫理則『他者を、手段としてだけでなく、目的としても見よ』は、『女を、性的商品としてだけでなく、人間としても見よ』に繋がる。性的商品としてしか女を評価できないそこらの世の男に絶望した女たちを、SMAPは、自らを厳しい訓練と規律により完璧なまでに商品化することによって、30代~50代の女たちの圧倒的な支持を得てきた。SMAPは、自らを支えるファンである女たちに 『私たちを人間として見てくれている』という強固な幻想を与え、『女を目的としてだけ見る=一人の人間としてだけ見る』イメージを肥大化させ続けた代償に、自身をひたすら手段=商品化してきたのである。

 2009年6月、草薙全裸事件後の「SMAP×SMAP」で、あるSMAPファンは、ブログにこう書いている。
『草薙クンの復帰イベント、始まった途端に号泣しちゃいました。やっぱり五人でわちゃわちゃしている姿がいい』
 それに答えたファンの女。
『普通の30超えのおっさんたちが集まってたらバツなのに、スマなら美しい。私も、ちょっと美化しすぎかなぁって思うんですけど。ま、でも純粋に嬉しいからいっかって』
 そしてファンはダメを押す。
『SMAPは、前へ進んでいるので、置いて行かれないように付いていきます。でも、3度目は無しですからね』

 一度目は2001年の『稲垣メンバー』道路交通法違反事件を指す。ファンである彼女らは、SMAPに起こる事件=商品を、濃密に消費する。

 このようにファンが求め、それに応え続けるSMAPの、その深くハイブロウなストレスの蓄積が、草薙の全裸事件に繋がっていたにも関わらず、飽きもせず最高のプレゼンを強いざるを得ないファンとSMAPの関係は、もはや『手段としてだけでなく、目的としての最高級商品』の需給関係となり、それは人間の域を超えて神格化すらさえされている。それは皮肉にも、そもそもからして『女を性的商品』として見ることができず、女を『ただの消費者』=『手段』としてだけ見てきてジャニー喜多川の、最高傑作として結実された。SMAPをはじめとしたジャニーズ集団の、その商品と戦略は、『女を性的商品としてだけ』見る男たちには一生理解することのできない代物なのである。
 
 一方でSMAPをはじめとしたジャニーズ集団は、常に男によるホモフォビア(同性愛嫌悪)からの攻撃にさらされてきた。半分の消費者である男たちの『ジャニーズはホモっぽくてキモイ』への緩衝剤として、SMAPがひねり出しのが『お笑い』である。かつてビートたけしはこう言った。

『SMAPみたいな格好の良い奴らがお笑いを始めたら、俺たちの仕事が無くってしまう』

 今や当たり前になったジャニーズ集団の『お笑い芸』を、本格的に始めたのがSMAPであるという事実は見逃してはならない。自虐ネタを伴うお笑いは、男としての不安に常に苛まれているホモフォビアの男たちに、SMAPはお笑い芸人であり、嗤い蔑んでも構わない存在、という一種の安心感を与えることに成功した。SMAP以前では得られなかった、彼ら以後のジャニーズ集団の全盛は、このお笑い芸の導入によるホモフォビアの男たちからの攻撃を逃れ得たことによる。

 また周知の通り、芸能界は組織ヤクザが跋扈する世界である。しかし、長いジャニーズ事務所の歴史にヤクザの匂いは皆無である。それは何故か?

 それはヤクザが男を売る商売(マチスモ、マッチョ)であるからだ。ホストも同じだが、男を売る商売人であるヤクザにとって、SMAPをはじめとするジャニーズ集団は、異質極まりない。何故ならば表向きSMAPは男同士で張り合わない。SMAPは男を売ってはいない、ありていに言えば、マッチョでは全く無いのだ。ホモソーシャル(男優先、男だけの社会)なヤクザとは似て非なる存在が『男だけの集団ジャニーズ』であり、だからこそ、芸能界という狭い業界において、ジャニーズ事務所とヤクザは、接点を持たなかった。

 この男同士の張り合いの否定の謳歌が、2003年に発売された『世界に一つだけの花』であったことは言うまでもない。

『小さい花や大きな花 一つとして同じものはないから 
NO1にならなくてもいい もともと特別なOnly one』

 芸能界でナンバーワンになった男たちが歌う、男同士、人間同士の張り合いの否定。これがホモフォビアやヤクザをひれ伏させ、同時に『おんな・こども』を狂喜させた、圧倒的な凄味なのである」

 ホモフォビア(ゲイ嫌悪)について一言。欧米(中東)ではゲイだから、という理由だけで殺される事件が多数発生してきました。幸いなことに、日本ではほとんどありませんが、やはり男社会の基底にホモフォビアが隠れて潜んでいることは、簡単には否定できないことではあります。当事者にとっては、かなり危険な差別であり、常にその危険にさらされているということでもあります。ですから、あくまでも政治活動家ではない(もちろんゲイであろうがなかろうが)、美しい男性アイドルグループにとって、この見えないホモフォビアとの対峙に関しては、無意識的にではあれ、かなり熾烈なものであるのかもしれません。

 さて、ここで「お笑い」について言及していますが、「お笑い」というのは同質的な共同体でしか通じない極めて曖昧で偏狭な性質を持っていることもあり、日本のお笑い芸が外国で通じないことを見ても分かる通り、美男子ではあるが、ダンスや歌よりもお笑いを重視してきたジャニーズ集団の現在の停滞(とまではいかないかな)があるとは思います。また逆に、東方神起やJYJは韓国のグループであるから、日本の男性に受ける「お笑い」を体得するのにかなり苦労したと想像できます(おそらく「お笑い」に関しては、彼らや彼らのプロデューサーはかなり意識してきたとも思います)。

 と、ここで大幅に脱線しますが、ここでは嫌韓のファクターは除外してもいいとは思っていました。しかし、ある意味、嫌韓派の男たちが反東方神起や反JYJのデモを絶対にやらないということにも何かが隠されてもいます(そんなネタもありませんが)。端的には、それをやってしまうとかなりイタイし格好悪いことをやっていることがバレてしまうからです。嫌韓の人たちは、あくまでも韓国の(格好)悪い部分をあげつらわないといけないので、格好良い部分と対峙することは意識的にも無意識的に避けてしまいます。

 わたしも含めて、たいていの男たちは、他の男の恰好よい部分を見ないようにするのです。「男の価値は顔じゃない」と言いますが、なにもそれをことさら強調するところにかなりキビシイ男性秩序の何かもあります。

 ともかく、男性アイドル・スターが、世の男性諸氏から認められるためには、「お笑い」的なるものを導入する必要が見てとれると思います。東方神起やJYJを見て「極端に毛嫌いをする」男性がいるとしたら、それはとりもなおさず「笑えない」からなのでしょう。わたしは彼らが出演したお笑い番組はとても面白く思いましたし、そのことで一気に親近感が湧いたことは事実でありますが。

 また、女性ファンだけを対象にしてきた男性アイドルグループが、年齢が重ねていく内に、もう少し、同性である世の男たちにも共感されたい、消費されたいと思うこと、ここに音楽性とやらの問題の一部分も隠されているようにも思います。女だけの存在ではなくて、男たちからも受容されたい、と考えるところにも、なんとなくですが、変化というものはあるとは思います。

 大晦日に何を延々と書いているんだと、ハッと気づいてしまいました。ご質問にきちんと答えられていないように思えてなりませんが、今日はこの辺で眠ることにします。スミマセン、あとは、男性学を専攻されている先生方にお任せしたいと思います。

 皆さま、良いお年をー。



 
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男性が男性スターを読み解く意味とは。

 スターとは、いったい何だろうか。本の中の一部として書いていました。

 男性性神話、ファンタジーの頂点に立つ男たちを正面から見据えながら、幾度も立ち止まり考え込みます。彼らスターから見れば、わたしなぞ、従属した男性に過ぎず、彼らにただ圧倒されるだけです。彼らがもたらす収益の恩恵に浴すならいざ知らず、また、性的な快楽を妄想で得るといった趣味嗜好の無い男にとって、男性アイドルやスター、更にはその頂点に立つ東方神起やJYJは、ただただよそよそしいというか、遠すぎて普通に無視出来てしまう存在でしかないように思われます。だからこそ、多くの男性にとっては、彼らに熱狂する女性たちを見て「ふうむ」と唸るだけで、そのまま通過するだけなのでしょう。

 こういった男女の完全なディス・コミュニケーションに興味を持つということはあります。当たり前なのですが、でも、なんでだろう、と首を捻り考え込むのも、無意味かも知れませんが、暇人の一種の快楽と言えなくもないのですから。

 でも、もう一歩踏み込んで考えてみると、従属的男性性を生きる他ない男から見ても、彼ら男性アイドル、スターたちを素直に消費する回路というか、糸口らしきものが見えてきます。それは、「彼らだったら仕方ないなあ」です。

 従属せざるを得ない立場でも、上を選ぶ権利というか、理解というものがあります。「そうかあ」と納得、受け入れる過程を経ることで、何かが見えてくるものです。

 わたしを含めてほとんどの男たちは、全てが満たされることの無い人生を生きており、それぞれ違う業界やビジネスの現場で、先輩や上司という小さなスターたちを眺め、つかの間かも知れませんが、縦社会の中における自分の置かれた立ち位置に納得し、「よしよし」と自分を慰め、毎日を過ごしています。

 この納得、受け入れるべき男性像が、多数の女性から熱狂的に支持される東方神起やJYJのような男性アイドルだったらどうなるか。SMAP本を出版した時にも感じたことですが、実は、驚くほど多くの女性たちと有形無形で共感し合える、という「出来事」が生まれます。

 この時は、本当に驚くべきほどのインパクトがありました。これは、わたしの奥義、秘伝として公開したくはなかったのですが、もう、そういうこと、というしかない「出来事」だったのです。

 こうやって考えてくると、男社会で不可避的に従属的男性性の生を送ることにおいて(いずれは老いを生きる以上、ほとんど全ての男たちかも知れませんが)、男性アイドルやスターの存在は、かなり重要な意味を持ってくるのが分かってくるのです。

 性的嗜好や金ではなくて、男たちはもっともっと男性アイドルやスターのことを語り合うべきだと、わたしは以前から考えていました。そのことから開けてくる領野は、実は、とてつもなく広大であります。東方神起やJYJといったスターに対して、「クソッ」と思って対抗している男の方が、むしろ問題がある生を生きている可能性が高いのかもしれません。

 とはいえ、多くの男たちが、本当に、その時々の男性アイドルやスターについて活発に議論し始めたとしたら、やっぱり「オエッ」となるかもしれない。いや、なるに違いない。さすがにわたしもなんだか嫌な気がします。

 さて、これは何故でしょうか?

 酒が入れば男たちは、「あの社長は」「あの首相は」「あの親分さんは」と、男たちのそれぞれの頭領について、実に能弁に賞賛し、そしてクサしまくります。しかし、「東方神起とJYJはなあ、あいつら凄ぇんだよ」などと、油切ってしまったお父さんたちが、酒の席で悦に入って語り合うことは滅多にありません。当たり前のことかも知れないですが、考えてみれば、やはりおかしなことではあります。だって「あの社長」よりも、大したことやってる連中なのですから。

 結論から言ってしまえば、多くの男たちは、権力の作用を誤認しているからそうなるのだ、と思います。ポストモダンと呼ばれる現代社会の権力とは、男性アイドルやスターが顕現していることに気が付いていないのです。

 例えば、木村拓哉がドラマで演じた首相役、当時の小泉純一郎首相のカリスマ性(ドラマ性)を経てなお、現代の権力作用について気が付いていない。これは、かなり危険だとさえ言えなくはないか、と考えております。

 段々深まってくるように思えますが、しかし、その結論は常にしょぼいものになる、そういう予感もしてきました。

 続けます。話は男社会の権力のことです。

 もう一度書きますが、木村拓哉が総理大臣の役をやったドラマ「CHENGE」(2008年)のインパクトを再確認しましょう。芸能界ナンバーワンの彼が、日本の最高権力者の役をこなしたことは、自らが日本の頂点に立ったことを名実ともに示したことでもありました。

 よく言われることですが、「日本最大の闇社会の組織、山口組の組長になるのは、日本の表社会のトップである総理大臣になることよりも、遥かに難しい」。この言葉を裏うちするように、歴代総理大臣は平成だけでも17人、対して山口組のトップは戦前から数えてたったの6人なのです。

 これと同じことが芸能界でも言えます。トップに君臨し続けて10数年のSMAPを構成、展開することは、間違いなく総理大臣になることよりも困難なことです。

 今現在の我々の社会の実は、表社会のトップである首相と、芸能界のトップに君臨することは、後者の方がより困難な時代に入っています。それは歴代の首相の数と、「頂点に立ったスター」と呼ばれ得る人間の数を見比べても分かります。

 全盛期の木村拓哉がもし、国会議員になり、首相を目指したら、などと考えることが荒唐無稽ならば、その全盛期すら定かでない元芸能人たちが大挙して「お国の存亡の為に」と「一念発起」して、立候補当選していることを見ていないのか、と思います。木村拓哉は賢明にも、国会議員や首相になることよりも、芸能界でトップに君臨し続けることの難しさを誰よりも知っているはずなので、立候補することはないでしょう。むしろ、落ち目になった芸能人が政界入りするというのが、今の権力の作用の一つと言ってもいいのかもしれませんし、その事実だけでも、政界と芸能界の力関係が垣間見えるというものです。

 男であるわたしが、五人時代の東方神起を考える上で、どうしても気になるのは、頂点に立った瞬間に見えた地平です。彼ら五人は別々の世界を見たのかも知れないし、そうではないのかも知れません。ただ、その誰かが、延々と続く荒漠たる寂寥を覚えたとしても、さほど驚くことでははないでしょう。日韓をまたぎ、アジアを席巻した前人未踏の世界とは、その地平とは、おそらく誰も知らない世界だったはずですから。

 誰も知らない世界に立ち、ある者はまだまだ先に行きたくなるかも知れません。またある者は、少し休憩をしたいと思うかも知れません。またある者は、今までの頑張りで失ってきた、家族や恋人、友人、知人とのゆっくりとした静かな時間を持ちたいと思うかも知れない。そう思ったとして、誰に非難される云われも無いはずでしょう。何故ならば、頂点に立ったのですから。

 しがない男が、男性アイドルやスターについて論じる必要性が、ここでもう一つ明らかになります。それは、必ずしも彼らを飽くまで消費するファンではない男たちが、また、彼らの必死な努力によって利益の配分を受けていない男たちが、現代の権力の象徴でも実体でもある彼らのことについて、それなりに距離を取った立ち位置から見守ることができる、ということです。権力とは「監視」されねばならないものであるし、また、できるだけ正確に「理解」されねばならないものでもあります。東方神起騒動とは、そういうものとして、まったく無関係、無関心なほとんどの男たちに向けても、照射されねばならないものだ、とわたしは考えます。

 ゲイではない男たちも、「オエッ」とならない程度において、彼ら男性アイドルやスターを論じる作法を編み出さねばならないのです。

 新たな、というよりも、もう既に走り出している男性アイドルやスターたちについて、男たちはこれから少しずつ議論百出していくことだと思います。それは必ずしもファンたちのお気に召さないかも知れません。しかし、時に違った目線、視点からは、新たな消費の仕方をもたらすかも知れません。また、うまく行けばですが、さらなる豊かな悦びを得ることができるかも知れない。そしてそのことが、東方神起やJYJだけでなく、今後現れるだろう男性アイドルやスターたちにとっても幸福なことになることを、願って止みません。

 男性社会における男性アイドルやスターたちに関する学究や、逆に、彼らから学ぶことの果てしなく大きなプレゼントに関して、わたしたちは今、少なくともスタートラインに立っていると思います。

 男性スターは、今まで、男性や男性社会から、あまりにも粗末に扱われすぎました。彼らを正当に評価し、理解し、そしてよそよそしい存在としてだけではなく、男性社会の一員として監視すること。または、ヘテロな同性というスタンスなりに消費し、愛すること(タハハ……、やはり相当照れますね。大事にすること、くらいにしておきます)。

 それが今、そしてこれから、問われてくるのだと思っています。




何とも言えない、下半期。

 今年9月くらいからずっと「東方神起、JYJ専属ライター」みたいになってしまいました。お陰さまで得るものもたくさんありましたが、悪名を振りまく結果ともなってしまい、何とも言えない気分の年越しとなりそうです。

 当ブログの元々の読者のほとんどは男性だったはずですが、今は、どうなっているのだろう。「小野は、いったい何をやっているんだー」と、何人かの編集者や同業者から言われておりますけど、いや、いろいろ大変なんですよ、と言うしかありません。

 先ほど読者からメールが来て、「セコイ便乗商売は辞めろ」とのお叱りを受けました。耳や目ををふさぎたくなるような散々な悪罵を、ネットのそこかしこで見ることができます。膨大な数の人間の感情を激しく揺さぶるスターのことを書いているので、そう言われも仕方のないことだと思います。辛いけどね。。

 芸能界って凄いところなんだなあ、と改めて思います。幻想を煽ったり、維持したりすることってとても大変なことだと思うからです。

 でも、結局のところわたしらの仕事というのは、こういった幻想の解体だったりもするのだけど、なんだか悪いことをしているみたいに思うこともあります。一生懸命頑張っているのですから。でも、簡単に解体されないというところにスターの凄みというものがあるわけで、手加減したり籠絡されたりすれば、それはそれで失礼なんじゃないか、とも思ったりもします。

 いろいろあるけれど、エイベックスって、わたしは凄い会社だと思いますよ。青春時代だった90年代は、多くのエイベックスの曲で楽しませてもらいました。歌舞伎町のスナック「M」で、エイベックス縛りのカラオケやったけれど、やっぱりわたしはエイベックスにとてもお世話になっていたことを再確認することになりました。エイベックス、嫌いになれないですね。

 今、エイベックスの会社としての歴史、調べています。町田の小さな貸レコード屋から出発し、短期間で上場を果たすまでに急成長した、まるで絵に書いたような成功物語。でも、そうだからこそ、有象無象の輩も集まってくるんでしょうね。ホント、大変だろうな、と思います。

 ハリウッドの世界の最底辺を描いた『マルホランド・ドライブ』という映画があります。とっても切ない映画です。夢というのは、残酷なものだったりします。そしてまた、夢が叶った先の世界も、やはりいろいろとあるのですよね。夢をみることができなくなってしまったら、それはまた、とても辛いことなのでしょうね。

 芸能界に夢を持った人がたくさん集まってくる。夢との折り合いを付けることができず、いつまでも夢を見続けていく人もいる。勝ちと負けの落差がこれほど広く深い世界というのは、もはやそれだけで残酷なのではないか、と思ったりもします。だけれども、絶対に無くなることは無い世界なんだろうなとも思います。夢を見たい人は、後から後から出てきますからね。

 ファンの方々も、基本的に夢を見たいのだろうと思います。当たり前ですよね。わたしもそうですから。

 夢を見るためにスターを見ているのに、その夢を壊されてしまったら、それは、怒ってしまうでしょう。皆さん、本当に「真実」など欲しいのですか。わたしはこの間、いつもそう自問自答しています。

 芸能マスコミ的には、野暮なことをやっております。まあ、粋じゃないですね。あんまり、格好良くはありません。

 基本的にわたしは、「面白えじゃねえか」と思えることをやっていきたいですね。この企画も、「あんまり面白くねぇじゃねえか」となったら、さっさと辞めるつもりです。もちろん理念も意地もありますし「商売気」もありますが、まあ、つまんない人たちに関わり続けるつもりはさらさらありませんね。

 騒動のほとぼりが冷めたら、一度、オフ会を呼びかけてみようかなと。歌舞伎町のスナック「M」で(笑)。もちろんケンカは無しです。やりたければ、街には猛者がいくらでもいますので、表でガチンコでやりあってくださいませ、と。

 今後は、前と同じくちょいとのんびりしたブログに戻します。と言いつつ、有料にしようかな(笑)。



  
 
   

明らかなことは。

 東方神起分裂騒動において、現段階ではっきりしていること、いくつか。

 JYJ活動休止の理由について、エイベックスは、2010年9月16日付けのプレスリリースで次のように主張していました。

「日本において現在JUNSU/JEJUNG/YUCHUNのマネジメント業務を行っている韓国法人C-JeSENTERTAINMENT CO.,LTD.の代表者が、暴力団幹部の経歴をもつ父親の威力を背景に担当アーティストを恐喝し、強要罪で実刑判決を受け服役していた、との報道につき、当社は事実関係を調査しておりました。
 その結果、現時点での暴力団との関係こそ明らかではないものの、その他につきましては上記報道がすべて事実であることが判明いたしました。
 また、韓国で係争中のJUNSU/JEJUNG/YUCHUN の専属契約確認訴訟の進展により、彼らと当社との専属契約自体が無効とされる可能性が高まってまいりました。
 当社はコンプライアンス重視、企業倫理遵守の経営方針から、これらの問題が解決されない限り、彼らのアーティスト活動をマネジメントするべきではないと判断いたしました」

 上記は、エイベックスの「いいがかり」か、少なくともJYJの活動休止の本当の理由では無いでしょう。

 ペク・チャンジュ氏の経歴がコンプライアンスに反するのであれば、エイベックスと長い間蜜月関係にあり、ヤクザとの関係が深いと言われ、現に「密接交際者」として銀行の融資を止められている「某大手芸能プロダクション」との関係は、コンプライアンス上、いったいどうなるのでしょうか? 二重基準と断じざるを得ないのです。

『COLORS~MELODY AND HARMONY~』(2009年9月30日)
権利者
1 H.U.B.作詞 無信託
2 JEJUNG 作曲 演録M 演録:KOMCA
3 YUCHUN 作曲 演録M 演録:KOMCA
4 エイベックス・エンタテインメント 株式会社 出版者 全信託 JASRAC
5 バーニングパブリッシャーズ 出版者 全信託 JASRAC

 複数の報道関係者に「警察に暴力団の『密接交際者』と認定されていない(韓国人だからそもそも認定できない)ペク・チャンジュ氏がダメで、(認定されている)大手芸能プロの某氏はいいの? おかしくないか?」と聞いたら、「(論調の筋が)定まっておらず、スミマセン」との答えが返ってくることしばしばでした。

 かなり問題ですが、これは、ある意味仕方の無いこととも言えます。なぜならば、暴力団排除条例(施行以前も今も)の基準そのものが曖昧だからでもあります。

 ですが、相手を「暴力団関係者だから」といって排除するには、かなりの要件が必要であります。警察や様々な暴力団対策の各種センターとの照会を経た上で行うべき類のものです。実刑判決を受けたとはいえ、服役後二年が経ち、その後具体的な「暴力団の威力を背景にした行為」が無い(明らかになっていない)にも関わらず(エイベックスはペク・チャンジュ氏のその種の行為を何も明らかにしていない。ザックはあるが)、考えが合わないから、商売が上手くいかないから(例えばですが)、などといった理由で「暴力団関係者」と排除することがまかり通ってしまえば、いったいどういう社会になってしまうのか。「密告社会」の到来です。政争の道具にすべきではありません。

 もう一度書きますが、たとえ暴力団員だったとしても、更生する人間は山ほどいます。「元」だから、「関係が深かったから」と言って排除してしまうのは、明らかな差別政策であり、最も唾棄すべきものであります。

 暴力団排除の狙いの一つは、上部組織への資金の流れを絶つことだと言われています。そうであるならば、もう一度、上記版権を見てみましょう。二重基準もいいところです。まったく、フェアじゃありませんね。

 百歩ではなく一歩譲って「ペク氏が暴力団関係者と深い関係がある」としても、エイベックスは「活動休止」ではなく「契約解除」にすべきだったと考えます。そうすれば、今のような混乱状態は有り得なかったのですから。

 我が国における暴排(条例だけではありません)という一つの歴史的転換点が、深く暗い捩れを持って、同じく歴史的価値を持つある一つのグループの運命に作用してしまった、とわたしは考えております。

 また蛇足ですが、サイゾー記事でも書いたように、韓国におけるSM社とJYJの裁判の帰趨に関してですが、このプレスリリースのわずか10日前までには、なんの問題にもなっておらず、これまたかなり癖の悪い「後付け」と言えます。

 アンチやファンの間では、いろいろと好悪の議論はあるでしょうが、エイベックスによる現在のJYJの「活動休止」状態に関してだけは、少なくとも裁判に出ている証拠を見る限り、かなり強引で、不条理な事態であることは明白だと、わたしは考えます。

 とはいえ、エイベックス側にもこのプレスリリースには出てこない、なんらかの思惑、理由が隠されているとは思います。それがいったいどういったものなのか、やはり様々な推測が成り立ちますね。しかし、無茶をしている印象は否めません。じっくりと話を聞いてみたいものです。

 また、もう一つ明らかなことは、このJYJ(C-JeS)とエイベックスの間の話には、ユンホとチャンミンはまったく関わっていない、ということでしょう。C-JeSとエイベックスの契約書には、二人のことが明記されていましたが、これはあくまでもJYJとC-JeS、そしてエイベックスの願望だったと、今のところは考えられます。そのことの是非は、今ここでは論じませんが、逆に関わっているのなら、その証拠を見たいものです。わたしは、見たことがありません。
  
 さらにもう一つ、明らかにできることがあります。それは我が国において、このエイベックスとの争いについてJYJ(C-JeS)側の言い分をきちんと書いたメディアが一つも無いことです(韓国ではたくさんありますが)。JYJ(C-JeS)側の日本のメディア対策が弱かったからかもしれませんが、もう一方の情報の流し方と比べて、かなり異様な事態であると思います。三分の理すら無いと考えるのは、やはりフェアではありません。

 まだまだありますが、今回はこの辺で辞めておきますね。


◆追記
 サイゾー編集部から。『7億円の契約金、不可解な動きの裏にあったエイベックスの思惑とは?』 重大資料から見えてきた「東方神起・JYJ分裂裁判」の深層「プレミアサイゾー」(http://www.premiumcyzo.com/)で公開中(有料ですが)。

◆追記2
『ウェブ・ロンザ』から『サイゾー』に変わったのには他意はありません。元々サイゾーとの仕事だった、今年中に出版予定だった、あとは、いろんな媒体で出した方が多くの読者の目に触れることができる、かな、くらいです。
 また、サイゾーの他記事は、わたしの文責ではありません。

◆追記3
 中学生の読者から「クレジットカードを持っていないので、記事を読むことができません」とメールが送られてきました。その場合、ご自身のメアドを明記の上、わたしに送ってください。あくまでも、こっそりこっそりとですが、善処いたします。

◆追記4
 下記のようなコメントが届けられました。

「どうしても明らかにして頂きたい事あります。ユノとチャンミンの事が書かれていたこの部分です。
『C‐JESとavexの契約書には二人の事が書かれていましたが、これはあくまでもJYJとC‐JESそしてavexの願望だったと考えます』この部分。

 私の解釈では二人の意志とは関係なく、5人の東方神起に戻った場合の契約事項が書かれていたのかなと思ったのですが…アンチの人達がツイで拡散している文の中に『3人はavexにSMとの関係を絶ちC‐JESを通して契約しなければavexを通した日本活動はしないと脅迫し…中略…ユノとチャンミンの日本活動が出来ないように仕組んだ』

 と、今現在もこの様な文を拡散しています。

 09年韓国での裁判当初から『3人は始めから3人だけでやりたかった。お金の為に2人を捨てた』と言われ続けています。小野さんの読まれた契約書には3人がユノとチャンミンが日本活動が出来ないように仕組んだと言われても仕方が無い事が書かれていたのか、それともavexと3人が契約した時点ではまだ5人でやりたいと言う意志があったのか…この部分が非常に重要な所なんです。小野さんもう少しだけ真実を書いて下さい。どうかお願いします」

 質問部分は下記ですね。

「小野さんの読まれた契約書には3人がユノとチャンミンが日本活動が出来ないように仕組んだと言われても仕方が無い事が書かれていたのか」

 書かれていません。結果的にユンホとチャンミンが日本活動できなくなってしまった事実は重大だと思いますが、契約書の内容を読む限りでは、JYJ側にそのような意図があったと見ることはできません。

「avexと3人が契約した時点ではまだ5人でやりたいと言う意志があったのか」

 契約書には、「特記」として明記されている条項があり、上記のように受け取るのが妥当だとわたしは考えます。ただし、ユンホとチャンミン側からみれば、それをJYJの「我がまま」と受け取られてしまうことも仕方ないとも考えます。 
 確かに、ここは重大な相違点ですね。と同時に、なかなか埋めることのできない見解の相違ともなるでしょうね。
 SMを出て活動するのか、SMに残って活動するのか、の違いです。
 また、結果は重大です。JYJの思いとは別に、ユンホとチャンミンが活動ができなくなったことは事実ですし。この事実を、どのように考えるのか、だと思っています。
 
 
 
 

分裂騒動の一端が垣間見える記事、掲載されます。

 
 本日24日、午後三時に「プレミアサイゾー」(http://www.premiumcyzo.com/)にて掲載されます。現在の混乱の根幹部分も明らかになると思います。

■特別掲載〈7億円の契約金、不可解な動きの裏にあったエイベックスの思惑とは?〉 重大資料から見えてきた「東方神起・JYJ分裂裁判」の深層

「 K-POPブームの牽引者である「東方神起」。日本でも人気絶頂だった、この韓国のスターグループの分裂騒動が突如起こったのが、2009年夏。その後、グループに残った2人が東方神起として活動を続ける一方、所属事務所との契約条件などに不満を持ったために離脱した3人は、新ユニット「JYJ」として始動。日本でも両グループが、それまで通り、エイベックスのマネジメントの下、積極的に活動が展開されるはずだったが……現在、JYJサイドとエイベックスは泥沼の裁判劇を繰り広げている。この訴訟の裏側には、両者のどのような思惑が隠されているのか。今回、これまで表に出ることがなかった裁判資料を入手、分裂騒動の深層に迫った――。」

 11月末に発表された2011年度の紅白歌合戦の出演者、グループの中に、大方の予想通り、ユンホとチャンミンの「東方神起」の名前を見つけることができたが、5人組だった「東方神起」を脱退したジェジュン、ユチョン、ジュンスの3人で結成した「JYJ」の名前はなかった。それを当然と見るか、不当と見るか、ファンやアンチの間で、評価は真っ二つに割れている。
 JYJは今年、日本で2回のコンサートを開いたが、いずれもエイベックスからの激しい「妨害」を受けている。ご存じの通り、これには前段があり、JYJサイドは、10年2月にエイベックスと日本での活動について専属契約を結んでいる。この契約が有効であるとするエイベックスからみれば、自社に無断で実施されようとしているコンサートをやめさせるのは「当然の権利」となるのだろう。そして現在、両者はこの専属契約が有効か無効かで、法廷の内外で激しく争っているのだ。  エイベックスは当初、東方神起の分裂をめぐる騒動については、暖かく見守る姿勢を表明していた。下記は、09年8月6日付エイベックス社発表「東方神起について」である」


 ご購読、よろしくお願いいたします。
 


JYJコンサート、時系列。

 整理のために作ってみました。裁判資料、取材記録を元にしています。間違いは無いはずです。


2011年3月14日 シージェスとザックとの間で、正式にコンサート契約を締結し、C-JeSとザックは、コンサートの売上から諸経費を控除した残金のそれぞれ2分の1ずつを利益とすることを合意。

2011年3月23日 エイベックス代理人からザックへ内容証明でコンサート開催に対する抗議と警告。

2011年3月28日 エイベックス、横浜アリーナへ通知文送付

2011年3月30日 横浜アリーナ社長名義でザック社へ「利用申込を承認することはできない」。

2011年4月1日 横浜アリーナ代理人からザック社へ内容証明送達。

2011年4月5日 チケット先行予約発売(完売)

2011年4月5日 エイベックス代理人からザック社へ、さいたまアリーナでのコンサートに関する内容証明

2011年4月11日 さいたまアリーナからザック社へ利用を許可できない旨通知

2011年4月14日 さいたまアリーナHPにて「当初利用許可に向け手続きをすすめておりましたが、出演が予定されているアーティストに契約に関する問題が存在している中で、同社に対して利用許可を出すことが適切でないと判断いたしました。」

2011年4月21日 ザック社、両国国技館へ会場利用申込み

2011年4月 ザック社が某右翼団体動かす

2011年5月2日~5月6日(金) 追加販売の予定が、サーバーダウンで延期

2011年5月10日~5月12日 追加販売

2011年5月10日 エイベックス代理人から相撲協会へ中止要請の内容証明

2011年5月11日 ザック社代理人から相撲協会へ内容証明

2011年5月12日 ザック社代理人から相撲協会へ内容証明「日本国中が暗く沈んでいる現在、しかも、多くの外国人アーティストが日本での公演を回避している中、『JYJ』が日本でのコンサートに名乗りを上げ、しかも、東北関東大震災の被害に見舞われた被害者の方のためにチャリティコンサートを開催しようとしている好意に対して、エイベックスの圧力に屈することなく、厳然として、『JYJ』のコンサートの開催に協力することがコンサート会場を管理運営している管理会社の使命ではないかと考えます。」

2011年5月18日 ザック社が相撲協会に対して念書「今般『JYJ』を巡る、C-JeS Entertainment Co.,LTD社とエイベックス・グループ・ホールディングス社との専属契約に関して、貴日本相撲協会には一切のご迷惑を掛けずに、C-JeS社及びザックコーポレーションにおいて解決あたることを、お約束いたしますので、6月7日の国技館の使用をお認めいただきますようよろしくお願い致します。

2011年6月2日 エイベックスが日本相撲協会理事長あてに再度、中止要請の内容証明

2011年6月3日 相撲協会、ザック社の暴力団関係者等の有無を「警視庁組織犯罪対策第3課」に照会にかけるが、結果該当なしとの回答。反社会勢力(暴力団等)の有無を「暴力団追放運動都民センター」に照会。結果該当なし。「全国暴力団追放運動推進センター」のシステムでも、該当なしとの回答。

2011年6月5日~ 予定枚数終了までキャンセル分のチケット販売

2011年6月7日 コンサート開催

2011年6月20日 エイベックス社が相撲協会を含めた3社に対して訴訟を提起

2011年7月7日 エイベックス、株式会社ノースロードミュージックに対して通知文送付

2011年8月2日 シージェス、エイベックスに対し約14億円の損害賠償訴訟提起。

2011年8月30日 エイベックス、地方整備局ひたちなか海浜公園事務局に対して通知文送付

2011年9月8日 エイベックス代理人からJTBに対して内容証明「したがって、当社(エイベックス)は、本書状をもちまして、貴社(JTB)に対し、上記イベントの開催の中止、及び今後も当社を介することなくJJYの参加するイベント等の開催に関与しないことをご請求申し上げます。」

2011年10月5日 JTB代理人からエイベックス代理人へ内容証明「通知人は、貴社の警告を受け入れ、上記イベントの実行委員会のメンバーから全面的に離脱することを決定いたしました。実行委員会から通知人が離脱することは、平成23年9月30日開催の実行委員会で正式に承認されており、本件関係者にもすべて通知済みです。(中略)なお、貴職は、本通知書において、通知人を上記イベントの幹事会社と述べられておりますが、通知人は、実行委員会の中で事務局として位置付けられていたものであり、幹事会社という表現は正確でないと考えております。

2011年10月15、16日、JYJ、茨城ひたちなか市でコンサート開催


 こうやってみると、やはり熾烈ですね。付け足す必要のある事項ありましたら、ご連絡くださいませ(でも、根拠のない噂はもう必要ありませんです)。

 

 

詐欺。

 今年初夏あたりから(ゆるく)ずっと追いかけていた案件の一つ。 


「水源地の権利や金山採掘権の販売をうたった詐欺事件で、大阪など9府県警は14日、詐欺グループのトップで、住所不定、無職菊次達朗(きくつぎたつお)容疑者(46)を詐欺容疑で逮捕した。
 一連の事件での逮捕者は32人となった。
 発表では、菊次容疑者は今年3~4月、販売会社「大雪山」(東京都中央区)が所有する北海道東神楽町の山林を水源地と称し、徳島市内の80歳代女性に権利の購入を持ちかけ、約30万円をだまし取った疑い。
 府警によると、菊次容疑者は、大阪や東京などで活動した電話勧誘役、パンフレット発送役、現金引き出し役の計3グループを統括していたという」
(2011年12月14日22時20分 読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111214-OYT1T01149.htm)

 
 この詐欺グループの裾野はかなり広く、背景はさらに真っ黒と聞いている。ある有名法律事務所に所属している悪徳法律家の名前もちらついており、大阪府警はどこまで捕まえることができるのか。注目している。
 
 


C-JeS社がZAKを切る。

 C-JeS社の「英断」なのか。先ほど正式に「ZAKとは無関係」と公表した。

 JYJの諸々に関して、ZAKの動きによってファンの間で混乱が広がっていたが、これで少しは終息すると思われる。このような混乱を回避するためにも、C-JeS社はできるだけ早急に日本法人を設立するなどして、多数の日本人ファンの要望に応える必要があるのではないだろうか。

 しかし、ZAK社とはなんとも面妖な会社である。エイベックスに対し右翼団体まで使って対立したはいいが、その効果は全く無し。逆にそのことを世間に広く知らされてしまうなど失態が目立った。C-JeS社やJYJのさらなるイメージ低下を抑えるためにも、今回の措置は必要だったと推測できる。

 とはいえ、エイベックスと喧嘩してまでして、日本で興行を打つことができる興行会社がZAKの他に存在するのかどうか。下手をすれば、ZAK以下の会社と手を組まねばならない事態もあり得ないことではない。また、連名で進行中のエイベックスとの裁判にも影響が出る可能性もある。それは、苦渋の決断だったことだろう。JYJとC-JeS社の難局は、今後ともまだまだ続く。



 

 

「怒羅権」実質的リーダーの逮捕。

 本日の産経新聞で下記のように伝えている。

「路上でトラブルになった男性を刃物で切りつけ、殺害しようとしたとして、警視庁組織犯罪対策2課は5日、殺人未遂と銃刀法違反の疑いで、中国残留孤児2、3世のグループ「怒羅権(ドラゴン)」のうち、都内最大勢力「大偉(ダーウェイ)グループ」の実質的リーダー、姜海鋒(キョウカイホウ)容疑者(40)=東京都足立区青井=と、職業不詳、中西会樹(かいき)容疑者(39)=豊島区駒込=ら4人を逮捕した。同課によると、4人は容疑を否認している。

 逮捕容疑は、今年4月1日午前3時ごろ、文京区湯島の路上などで、アルバイト店員の男性(27)と会社員の男性(31)をパン切りナイフ(刃渡り約35センチ)で切りつけ殺害しようとしたなどとしている。

 男性らは一時、意識不明の重体となり、腕などに後遺症が出ているという。男性の1人が中西容疑者と路上で肩が触れあってトラブルとなり、ディスカウントストアなどに連れ込まれ激しい暴行を受けたという。

 同課によると、姜容疑者は、平成20年に大偉グループのリーダーが中国に渡航して以降、グループを実質的に支配。東京・上野や錦糸町などを中心に、みかじめ料や薬物売買などで利益を得ているとみられる。グループは最近、約250人が所属するなど、勢力を拡大しているという」


 姜海鋒容疑者の通称は「小峰(シャオホン)」。その彼と激しく争っていたのが、赤羽を本拠地とし、新宿、池袋に縄張りを持っていた「白井グループ」首領の白井宇太郎(通称は「小宇(シャオユウ」)だった。白井氏とは都内某所のシャバで何度か会ったことがあったが、そしてその都度取材をお願いをしたが、顔と名前を出した上での取材は断られた。そして彼は、今年6月に強盗傷害の容疑で逮捕された(容疑は否認)。記事中にある、姜海鋒容疑者の「大偉グループ」首領で今は北京にいる大偉氏とも、昨年末、中国北京で二日間にわたって接触することができたが、やはりきちんとした取材に応じてくれることはなかった。

 いずれも闇社会の住人なのだから、おいそれとこちらのインタビューを受けてくれるわけもない。そんなことは当たり前なのだが、記事にできないままこうやって次々に逮捕されていくと、考えこんでしまうことがある。
 
 捜査は、かなり前から進められていたと聞いていた。ある捜査官とも話したが、「やっとの感があるね」と言われ、同感した。

 書きたくても書けないこともある。捜査妨害に当たる可能性だってあるし、どんな「悪い人」にだって人権がある。こうやって逮捕されることによって、ほんの少しだけ書けることもある。

 東方神起騒動に関して、あるブログでわたしのことを「例の商業ライター」と呼称して「A社と闇社会の関係を何も書かないことが、そもそも不自然」などとかなりの上から目線で誹謗しているが、じゃ、あなた、名前と顔出して、堂々と書いてみなさいよ。訴えられるから。ネットで拾った「ソース」とやらを振りかざして、そのソースをコツコツと集めている記者たちの苦労を慮ることはないのですか。と思ったりもしたが、そういう誹謗中傷に対して、出来上がった記事や作品で見返してやるのが、こちらの本業だと思い返したりもしている。

 次々と逮捕されていく日中の闇社会の住人と、ネット社会で「輩」となっている人々たち。「潜り方」は多々あるなと思いますね。

「東方神起騒動」企画、そろそろ終盤に入ってきております。確認作業が長引いて、残念ながら年内に本は完成しませんでしたが、来年頭には出版できるようにします。その代わりではありませんが、年明け前に、ある媒体で騒動の真相の一端が垣間見える記事を書く予定でおります。 

 日本でやれることは、あらかたやり尽くしたかな、とは思っております。 
 



韓国の「JYJ」本、販売中止に。

 という情報が出回っているが、いったいどういうことなのだろう。あまりに謎、過ぎる。

 著者のキム・ボムテ記者はJYJサイドに立って奮闘中だと聞いていたし、ネットに公開されていた彼の文章も早い段階で読みとおしていた。

 どういう経緯でそうなったのか、予定されていた日本語版の出版はどうなるのか。いろいろ複雑な事情が絡み合っているのだろうと推測するが、出来得る限りの説明を今は待ちたいと思います。




プロフィール

小野登志郎

Author:小野登志郎
職業 ノンフィクション・ライター。ハードボイルドに疲れてきた三十路後半男。枯れていくばかりの人生を楽しむことにします。

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