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ヘイトスピーチと言論の自由、そして「愛国」

 昨日、ある雑誌から取材を受けてコメントを求められたのだが、その取材内容とは下記の事件に関すること。

「大手製薬会社「ロート製薬」(大阪市生野区)がテレビCMで韓国人女優を起用していることに言いがかりをつけ、降板させるよう脅したとして、大阪府警捜査4課は10日、強要容疑で京都市右京区山ノ内宮前町の元市民グループ支部長、西村斉容疑者(43)ら4人を逮捕した。西村容疑者は「日本の領土に関わることなので、あれくらい脅さないといけないと思った」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は今年3月、同社を訪問し、応対した男性社員(50)をビデオ撮影した上、その場でインターネットの動画投稿サイトに投稿。さらに韓国人女優について「竹島を韓国の領土だと世界中で宣伝している反日活動家だ」などと脅してCMから降板するよう求めたとしている。

 同社をめぐっては、今年2月、韓国の人気女優、キム・テヒさん(32)を自社CMに起用したことについて、インターネットの掲示板などで批判が殺到。発表会見が中止になるなどのトラブルがあった。

MSN産経ニュース 2012.5.10 11:49
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120510/waf12051012010012-n1.htm」

 
 少し前からちらほら登場していた、既成の右翼団体とは違うとされる「市民右翼』と呼ばれる人間たち。彼らに関しては、ジャーナリスト安田浩一さんの近著『ネットと愛国 在特会の“闇”を追いかけて』(講談社)に詳しい。 

 で、上記事件。逮捕したのは「大阪府警捜査四課」とある。捜査四課と言えば、暴力団の犯罪を管轄する部署である。彼らを暴力団扱いにしたということなのか、いちおう彼らは思想犯ということなので公安部が動くのかと思っていた。

 基本的に右翼団体の取り締まりは、刑事警察の組対部、捜査四課ではなく、思想犯を扱う公安部の管轄とされる。公安部では、右翼に化けた暴力団に関しては、公安三課事件班が処理する。しかし、現状では公安三課事件班は、あまりこの種の事件捜査に熱心ではないと聞く。

 今回の事案、捜査四課と公安部では、どちらが扱うのか意見が割れたのではないだろうか。「あんなの思想犯じゃない」「いや、暴力団でもない」といった感じで。暴力団と密着した従来型の右翼団体とは違うので、定義に関しても困ったのかもしれない。ともかく、市民右翼と呼ばれる人間たちを、マル暴である捜査四課が摘発に動いたことには少し驚いた。

 ちなみに、彼らは金を要求したわけでも無さそうだ。強要の目的はあくまでも「CMに出演する韓国女優の降板」。ここも、金が主目的の従来型の右翼団体とは一線を画している。   
 
 また、強要の罪で逮捕したことにも少し危惧するものがある。別の記事では「また来るぞ」と継続の意思を示したとあるが、この事例を拡大適用してしまうと、正当な抗議活動や取材活動にも支障が出る恐れがある。

 とはいえ、彼らの聞くに堪えない「ヘイトスピーチ」は、そろそろどうにかした方が良いとも思う。彼らが吐く排外的言辞は、ここに書くのもはばかられるほど酷いのだ。

 ヘイトスピーチを明確に違法とする国もある。言論の自由との関係も難しいところだろうが、何がいけなくて、どこまではOKなのか、我が国も、せめて議論だけでも始めた方がよいのではないだろうか。摘発の主体はマル暴か公安部か、の問題ではもはや無いはずだ。

 ヘイトスピーチを法律で規制しろ、と書いてしまうと、今度は一部の左翼から批判されるかもしれないが、彼らのヘイトスピーチが蔓延した社会を想像するとゾッとする。少なくとも、今の段階でも少なくない数の人間たちが、深く傷ついている。大人の年齢に達している連中に、良ろしくない言葉を吐いちゃいけません、ということを法律で分からせるというのは、かなりヘコむ事態ではあるのだが。

 
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フラッシュバックする出来事と、文庫化。

 三年前に出版された拙著が文庫化されました。宣伝させていただきます。

 
 
怒羅権(Dragon)―新宿歌舞伎町マフィア最新ファイル (文春文庫)怒羅権(Dragon)―新宿歌舞伎町マフィア最新ファイル (文春文庫)
(2012/04/10)
小野 登志郎

商品詳細を見る



 東方神起やJYJなど、K-POP三昧の日々を送りながら、大幅に加筆修正していました。取材していた当時がフラッシュバックされ、いつまで続くのか分からない鈍痛を堪えながら、読み返し、書き換えていました。

 解説は、城戸久枝さん。『あの戦争から遠く離れて』(情報センター出版局)で大宅賞他を受賞された方です。中国残留孤児二世にあたる彼女は、さらなる痛みを感じながら書いてくれたのではないかと推測します。

「本書『怒羅権』を手に取るのは少々覚悟のようなものが必要だった」(文庫版「解説」より)

 中国残留孤児とその二世、三世の痕跡は、我が国が消すことのできない痛恨の歴史であり、その人々の物語はすべて、我が国の「顔」となり、遺る、とわたしは思います。それは黙示録です。痛みの無い人生など無い、と言うことは簡単ではありますが、深く突き刺さってしまった傷は、やはり癒えることのない跡を遺してしまうのです。

 文庫化するにあたり、わたしはナイーブな表現を極力削りました。「彼ら」がいなくなることは、当分の間、あり得ないと痛感したからです。中国北京、上海まで追いかけていくことで見えてきたことは、「彼ら」がつくる闇の世界は、さらに奥へ奥へ、広がっているということでした。そしてその地平では、もはや中国残留孤児二世、三世の物語ではありません。「怪物」は、常にその姿を変容させて今を生きています。

 しかし解説において城戸さんは、そんなわたしの安っぽいシニカルさに対し、待ったを掛けてくれているように思えました。ありがたい、と思いました。

 それと、話には聞いていましたが、文藝春秋社の校閲は、それは手厳しいものでした。原稿が真っ赤になって返ってきて、それを書き直すとまた真っ赤になって戻ってくる。そこはわたしの表現なんだからいいじゃないかーと思ったりするのですが、「これは日本語としてオカシイです」とやられる。ちょっと笑ってしまったのは、「毒のある河豚の肝は美味いという」と書いていたところ、「毒のある河豚の肝は、不味いらしいです」とやられたところ。えーそうなんだーと驚いたのですが、じゃあ味わったことあるのかよ、ということで、だいぶ迷いましたが、味覚には優劣無しということにして、イキにしました。

 さまざまな痛みを感じる作業となりましたが、しかし、とても楽しく勉強になった文庫化でもありました。少しでも多くの皆さんが手にとってくれること、願って止みません。

 最後に、文庫版のあとがきに書くことができなかったのでここで書くことにしますが、文春文庫編集部のI・Hさま、きめ細やかな気配り、ありがとうございました。文藝春秋社は永遠に不滅です、と目いっぱい持ち上げて宣伝の言葉とさせていただきます。

 皆さま、ご購読のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 
 
 

ザック・宮崎恭一氏に送られた「薬きょう」の件。(追記あり)

 
 エイベックスとの裁判で宮崎氏が提出した陳述書には「散弾銃の薬きょう」とあったが、信頼すべき筋からの情報によれば、その「薬きょう」、どうやら本物ではなかった可能性があるとのこと。ただ、成城署に被害届が出されていることは事実とのことであり、警視庁は慎重に捜査を進めているようだ。

 銃弾の薬きょうの真贋を見極めるのは素人には困難であり、間違いもあることだろう。とはいえ銃弾ではなく薬きょう、そして偽物……。それは「自宅玄関前に置いてあった」とのこと。はたして、この「偽物の薬きょう」を「置いた」犯人は、いったい誰なのか?

※追記 別筋からの情報によれば、薬きょうは自宅玄関前に置かれていたのではなく、郵送で送られてきたとのことだ。封筒の差出人に名前はなく、また本文も入っておらず、さいたま市の消印だったとのこと。成城警察は現在、宮崎氏自宅周辺を1日に2~3回パトロールしているとのことだ。

 警視庁には何がなんでも真相を解明し、速やかに犯人を逮捕してもらいたいものである。 
 
■追記 情報が二転三転して申し訳ないですが、ザック社長・宮崎恭一氏宅に送りつけられた薬きょう、偽物ではなく本物だったとのことです。



宮崎氏陳述書2

「散弾銃の薬きょうが自宅前に置かれていた」とエイベックスとの裁判で陳述書を提出したザック宮崎氏だが、その書面には、他にも概略こんなことが書かれてあった。

「(右翼団体からの街宣があった後、宮崎氏はザック本社ビル住所の所轄署である)、中野警察署組織犯罪対策課●●警部(役職も名前も明記)に相談。警部からは『私(宮崎氏)が対応するのは良くないから、OBに任せたほうがいい』と言われる。結果、今後はザック顧問となった警察OBのA(実名)に対応を一任することになった」

 ザックの顧問になったとされる警察OBのA氏という人物は、こちらも確認済みである。しかしその結果は、あくまでも宮崎氏の陳述であるが、右翼団体からの嫌がらせは止まらず、そして散弾銃の薬きょうが送られるという事態になった。

 

ザックコーポレーション社長、宮崎恭一氏の陳述書。

 JYJを巡るエイベックスとC-JeS及びザックコーポレーションの裁判において、ザック社長宮崎恭一氏は陳述書を提出(2012年2圧10日付け)しているが、その内容はとても衝撃的である。概略をかいつまんで書くと以下のようになる。

「(2011年の右翼からの嫌がらせ行為について書いた後に)年が明けても(右翼からの)街宣は収まらない。平成24年1月31日私(宮崎氏)の自宅の前に散弾銃の薬莢が置かれていたことから、家族(妻と2人の娘)は恐怖に打ちのめされました。

 上記のとおり、当社と私の家族は様々な嫌がらせを受けました。その結果、当社の社員の大半は会社を辞めてしまい、当社は大打撃を受けました。また、私の家族もバラバラとなり崩壊してしまいました。

 このままでは、当社も私の家族も立ちゆかなくなってしまいます。裁判所におかれましては、何卒、一日でも早く、本件を解決していただきたく切にお願い申し上げます」

 宮崎氏の陳述書によれば、散弾銃の薬きょうが発見されたあと、所轄の成城警察署に連絡して、警察官が見回りに来ている。その証拠として、家を見回ったことを証明する紙のコピーが5,6枚、裁判所に証拠提出されている。しかし陳述書の中で宮崎氏は「(警察官の見回りについて)単なる気休めにしかならない」とも書いている。

 今の時点で警察からの発表はなにも無い。この散弾銃の薬きょうが発見されたとされる約一ヶ月後、周知の通り、ザックコーポレーションは民事再生手続きに入った。

「ザック民事再生手続きについて
平成24年(再)第38号 民事20部
申し立て 2月29日
3月5日17:00から開始
代理人 安藤 拓郎
監督委員 河野 慎一郎
再生債権の届出 4月4日まで
債権の調査 5月9日から5月16日まで
再生計画案の提出 5月29日まで」

 誰がやったのかは分からないが、本当に散弾銃の薬きょうが送りつけられたとしたら、もちろん看過することのできない事件であり、警視庁の捜査一課か組織犯罪対策課が捜査を開始しているはずである。昨年夏、眞鍋かをりが所属する事務所にも銃弾が送られた事件があったが、その時は警視庁はすぐに発表したが、今回はまだである。

 宮崎氏は右翼団体からの熾烈な攻撃に対処するため、所轄の刑事からの勧めに従い警察OBを顧問に雇っている。また、ザックを攻撃している右翼団体は複数あり、これとは別の右翼団体から「事態を収める」と接近を受けたことも陳述書に記してもいる。

 民事再生手続きに入ったことから、ザックはJYJを巡る訴訟から離脱したが、今後は刑事事件の当事者となった。
 
 見えないところで事態は複雑化し、かなりエスカレートしている。事実が確定し次第また報告したいと思っている。


 
プロフィール

小野登志郎

Author:小野登志郎
職業 ノンフィクション・ライター。ハードボイルドに疲れてきた三十路後半男。枯れていくばかりの人生を楽しむことにします。

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